私のMacに対するコンプレックス1999→2017 − MacBook Proを購入するまでの人生で気づいた大事なこと。

新しく購入したMacBook Proへ今まで使っていたAirからデータ移行の様子。なお、この後失敗に終わり、クリーンインストールをする羽目になりました。
先日、MacBook Pro(15-inch,2017)を購入しました。
長年、Windowsユーザーだったため、いくらMacを本格的に使うことを望んでいたとしても慣れるのだろうか、仕事に影響がないかどうか散々悩んだのですが、ここで思い切って購入して自分で使わないと、この先ずっと自分の心の中でくすぶり続けるだろうな…と思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちを抱えて購入しました。
一応、2011年の時点でMacBook Airを購入してはいたのですが、デザインの仕事に耐えうるスペックとはいえませんでした。全く満足していないわけではありませんが、Airひとつで仕事完結ができなかったため、自分の望み達成度としては(体感で)40%程度に留まっておりました。
今回は、Macbook Proを購入したのを節目として、これまでのMacとの思い出を綴りました。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただければ大変ありがたいです。
Macと私と人生と。
1999年
スケルトンなiMacで盛り上がっている時代。
当時、通っていた短大近くのとある店舗前にずらりと並んだiMac G3を手に入れたいと思いつつ、自分の懐具合を考えるととてもじゃないけど無謀と諦めつつ、横目で見ながら通り過ぎる日々を送る。
2000年
当時、デザインやイラストなどグラフィック関係をするならMacがいい、と言われていたが、当時就職したばかりの自分にそんな金銭的余裕はまったくなく、結局、自宅WindowsPC(OS:Windows Me)に、知人から譲っていただいたPhotoshop5.5をインストールしてちまちま練習。
注)ちなみに、当時、PCは仏間に設置していた。
2001年
《その1》当時勤めていた職場の契約期限が近づいたため、これを機会に印刷会社に…!と思って探したら第一希望の会社の雇用条件が大学卒であること、そしてMacが使えることだったため、泣く泣く諦めることに。
《その2》所要で知人宅に行くと、Power Mac G4が置かれているのを見てWindowsPC以上のかっこよさに惚れる。そして値段を調べて手に届かない遠い世界だと思い知る。
2002年
当時勤めていた会社で働いていた際、当時の上司に「Macを使ってみたい」と言うと、なんと会社で使わなくなって眠っていたMac(あまり覚えてないが、恐らくPower Macintosh 8500)を貸してくれた(今でも信じられない)。
早速、許可をもらって自宅に持って帰り、2003年の年賀状をPhotoshopで作ったが、1つの処理が終わるのに約15分かかる自体に。処理に失敗した時の暗澹たる気分といったらなかった。
なお、制作作業は連日深夜までかかり、そうこうしてるうちに毎夜「いつまで起きてるんだ!」と母親が怒号爆撃を仕掛けてきたため、自室の電気を消して、さらにPCから漏れる光も隠すために布団をかけてその中で制作を進めた(今思えばこれでよくぞ目が悪くならなかったと思う)。
※お借りしたMacは、年賀状制作が終わったあと、きちんと会社にお返ししている。
2004年
いろいろあって、引きこもりを経て何とかECサイト管理の職にありつく。なお、当時割り当てられたWindowsPCは、カバーがないむき出し状態のもの。大体、この頃にMacを使えない悔しさをバネにフリーソフト探しに精を出す(実際はなかなか楽しかった)。
ちなみに、やっぱりなんだかんだかっこいいMacに憧れて、当時のOS:WindowsXPのUIデザインを、Macっぽくカスタマイズしようとするが、日本語表記にバグがあったりちょいちょい変な表示になって、逆に使い勝手が悪くなってしまったため、諦めて、通常のWindowsデザインで泣く泣く使用を続ける。
↓大体こんな感じ。
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WindowsのUIを限りなくMac風のデザインにするスキンパック : macOS SkinPack Collections
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「macOS SkinPack Collections」は、Windows 7, 8, 8.1, 10 のデスクトップ、エクスプローラ、その他あらゆるユーザーインターフェースと機能を macOS にかなり似た状態にカスタマイズできる...
2007年
Web制作をもっとしたくて地元を出て松山で就職。
就職先はMacユーザーでなくても十二分に働くことができる職場だったため、それまでに独学で培った力を思う存分発揮させるが、Web掲載のために印刷会社から送られるaiデータが、軒並みMacでの制作なのを目の当たりにして、地味にコンプレックスを刺激される。
2009年(もしかしたら2010年かも…?)
2008年にiPhoneが日本で発売され、アプリ制作が注目されようとしている頃。
在籍していた会社でもiPhoneアプリ制作受注をすることになり、エンジニアチーム全員とコーダーチームの一部が、WindowsからMacに移行することになる。支給されたMacBook Proをセットアップする同僚たちの様子を見て、過去のMacに対する思い出が蘇る。
なお、この時、自分も合わせてMacを使用したい旨を上司には伝えたが、体よくあしらわれる。その場では諦めつつも次の機会を狙うことに。
注)知らない人のために。iPhoneアプリ開発・申請はXcodeというソフトでないとできません。ちなみにXcodeはMacでしか使えないため、必然的にMac必須になるわけです。 ↓以下、参考までに。
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【ゼロから作る!】初心者から始める!iPhoneアプリの開発手順とは
TechAcademyマガジン
iPhone(iOS)アプリ開発をこれから勉強したいと考えている初心者向けに基礎から応用までまとめて紹介しています。どうやって進めたら良いか分からないという人は開発手順や便利なツールを知る...
2010年
会社にiMac2台導入される。
1台はMacが使える別のデザイナーが。そして、もう1台は兼ねてから使用希望を訴えていた私…ではなく別の同僚へ。
当時、同僚が扱っていた案件が、WindowsPCのスペックでは手に負えないということで、チームを組んでいた先輩プログラマーが上司を説得したためである。
悪戦苦闘しながら、プログラマーと二人三脚でMacに慣れようとする同僚の姿は羨ましくもあり、そして悔しくもあった。
2011年
時は流れ、iMacが1台あくことになったので、上司に再度使用したいとアタックすると「仕事が終わったら使ってOK」と許可を得ることができた(業務で使うには、当時の自分のスキル的にハードルが高かったため)。Macに慣れたい一心で、業務が終わってから(もちろん、業務時間外)Mac練習させてもらっていたが…、上司から、あまり使用をしてほしくない素振りをされてしまう。
上司の態度から、建前上は「OK」と言うものの、本心は、上司や他の社員がいないときにやって欲しい(上司本人が仕事している近くで仕事以外のことをされるのを目障りに感じる)んだろうなと推測。
しかし、それだと深夜か早朝に出勤して使うしかない。早朝出勤も考えたが、当時、帰宅が0時くらいが続いていて、寝ると朝まで泥のように出勤ギリギリまで眠る毎日だったため、泊まり込みでもしない限り無理と判断。自分でMacを購入してじっくり操作を勉強する環境を作らないとダメだと思うに至る。
その後、自分の収入と懐具合から考え、11月末にMacBook Air(13inch,Late 2010)を思い切って購入(これが初めての自分でのMac購入)。
ちなみに、いつもは仕事帰りが0時近くだったのが、なんとAirが届く日だけ本当に奇跡的に19時半に帰ることができた。心臓をバクバクさせながら直接、宅配便の方から受け取ったのは今でも忘れられない。
その後、1週間ほど丁重に祀った後、Macbook ProかiMacを購入してMac用Adobe CS(当時)を扱えることを夢見ながら、少しづつ操作になれる日々を送る。
2012年
退職&独立(第1期)。
個人で使っていたWindowsPC(自作)では仕事に耐えうるスペックではなかったため、新しいPCを購入することになるが、予算や他の兼ね合い事情によりWindowsに。とはいえ、元勤務先・自分所有PCよりもさらにパワーアップ。
Photoshop、Illustrator、Fireworksの3アプリを同時起動していても全くPCが落ちないことに至極感動。←ここ大事。
2013年
Mac以前の問題に陥る。
2014年
諸事情あって独立第2期(いわゆる『フレーズライン』としての独立)。
このときに胸に誓った言葉が「がっつり稼いで、今度は絶対iMacかMacBook Proを購入してやる!(あとAdobe CCも)」。
しばらくの間、松山と実家を行き来する日々が続いたが、デザイン制作は無理でもそれ以外では非常にMacBook Airが大活躍してくれた。Airを購入しててよかったと心から思う。
2015年
Airの活躍には非常に感謝しつつも、やはりデザイン制作ができないのがネックなこと、そしてこの頃から場所を選ばず仕事をしたいと考えるようになったため、iMacではなくMacBook Proを購入することを視野に入れる様になる。
WWDCを追っかけつつ、購入時期を虎視眈々と狙う。
※ちなみに、この年にセールのタイミングを見てAdobe CCを購入。
2016年
さあ、そろそろMacBook Proを…と思っていたら、Surface Bookが発売されたことを知る。某電化製品販売店で操作比較をして、PC前で30分ほど悩むが結局帰る(はた迷惑な客である)。
その後、新しいMacBook Proが出たら購入しよう、と思ってじっと待つが、6月のWWDCでは発表されず、結局10月末まで引き伸ばされる。その時にはタイミングが合わず購入は見送りした。
2017年
6月。
改めて新型MacBook Proは出たもの、いざ購入しようとすると自分のチキンハートぶりが炸裂。さらに他の人のMac使用意見が書かれたBlogを読めば読むほどなかなか踏み切れなかったが、夫の「オレはMacを買ってよかったと思ってる。Windowsに戻る気は一切ない」「ブライトちゃんだったらやっぱりWindowsよりMac使うべきだと思うよ」の一言に意を決す。
自分の通帳とにらめっこしつつ、何度も自問自答し、ようやく重い腰を上げて12月18日に注文。
確して12月25日、大阪出張から帰宅して2時間後、MacBook Proが手元に届く。
『覚悟』がなかった自分に悔やむ。
これまでのMacに関する思い出を書き連ねてみて、改めて勤めていたときに生活費を切り詰めてもいいから、タイミング見て買っておけばよかったかなーと思ってます。
年齢的に結婚やなんだかんだ言われていた時期で、ずいぶん『女性としての世間一般の常識』に惑わされたのですが、結局、Macを購入して自分の力にしようとする『覚悟』が一切なかったんだなと思います。
勤務していた当時、出勤すれば後は室内でずっと制作するだけだったので、化粧水やクリームは自分の肌に合うのであれば100円ショップのものでもいいし、メイクも極端言えば別にしなくてもいい(時期によってはマスクで隠すことも可能)。服も下着も靴も靴下も1着(1足)、後は冠婚葬祭用のスーツとヒールが1セット、一応年齢を重ねたときの肌への影響を考えて、紫外線避けに帽子ひとつ、女性であれば月ものの対処があれば、後は十分生活できるし、収入と通帳とにらめっこしながら着飾る必要はさらさらなくてもよかったなと思うのです。
(注:食費は実家から野菜やお米をもらっていたので、これで随分浮いてました)
もともと、私はお金で苦労してきた両親から『節約が正義』と教えられて、とにかく安いものを購入すること、貯めることが何よりも大事と思っていたのですが、思い返してみて、あの頃、自分が手に入れていたもので、自分の『稼ぐ力』に転化しているものがあまりない気がしています(強いて言えば、松山での一人暮らしのための契約料で新たな仕事に就けた、自炊・家計&金銭管理力が身についた、くらいでしょうか)。
もちろん、節約や貯蓄することが間違っているわけではありません。何もかもに『投資』していたら、稼ぐ前に自分が疲弊してしまい、大切なものを失う可能性もあります。 ただ、自分が手に入れるものを如何にして自分の力にするか、自分を活かす『材料』に変化させるか、そして稼ぐ力に転化させて新しい道を切り開くか、という見極め力は一切なかったな、と思うのです。
AppleのMacのWebコンテンツ画面を眺めて「高いなー。私にゃ無理やなー」とつぶやいて、会社や誰かに頼ろうとする。そんな考えで果たして憧れのMacが手に入るのだろうか。それで次のステップに進むことができるのだろうか。自分が望むだけのお金を稼ぐことができるのだろうか。
そこまで考えると、元勤務していた会社の上司にMacを使いたい、と何度か訴えてはいたものの、こんな考えで仕事していたのでは、どんなに努力しようが上司も私にMacを『投資』をしたいとは思わなくて当然ですし、さらに言うと「役立たず」と言葉をぶつけられてしまったのも無理はないなとも思いました。
2018年を進むにあたって。
Blog上では突然の話になりますが、2017年はいきなりまさかの『結婚』から始まりました。
夫はじめ、そこから通じて知り合ったいろんな方にたくさんのことを教えていただくことが多く、何かとこれまでの自分の『固定概念』と戦うことが多かったような気がします。
新しいMacBook Proの購入もその戦いのひとつで、随分悩みましたが、夫の一言で「自分がどうしたいか自分で決めたらいいんだよ」とポン、と背中を押してもらい、ようやく山を乗り越えることができた感じです。
今年は更に『固定概念』との戦いが激しくなってくるのではないか、と思いってます。しばらくはあれこれ苦しいかもしれませんが、それが徐々に『ワクワク』しはじめたら、フリーランスとしても、夫婦としてもひとつの山を乗り越えることになるのかな、と思ってます。
また、2018年末の状況を楽しみにしつつ、今年も自分の地味な強さである『地道に丁寧にすすめる』ことは変わらず、それ以上に先を見据えながらいろんなことに首を突っ込んだりしたいと思います。
月並みな言葉ですが、今年も変わらず、新型MacBook Proと共にどうぞよろしくお願いいたします。
おまけ:所持しているPCの今後について。
WindowsPCについて
2012年より使用しているWindowsPCは、現役で十二分に頑張ってくれてますが、今後は徐々に新型MacBook Proに移行していく予定です。今はまだ比較と様子見で使用していきます。
MacBook Air(13inch,Late 2010)について
Proにデータ移行完了後、認証解除→クリーンインストール。その後、譲渡希望されている方にお渡しする予定です(すでに決定済み)。
今まで本当によく頑張ってくれました。ありがとう。本当にありがとう。
その他。
新型Macbook ProはUSB-C対応のため、USBコードも使えるようにHUBを追加購入予定です。